学者未満

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中小企業診断士という資格試験を振り返って思うこと

資格・スキルランキング

2015年の日経キャリアマガジンの20~40代のビジネスパーソンを対象にアンケート調査をもとにした資格・スキルランキングを見ると、中小企業診断士は6位でした。

career.nikkei.co.jp

ところが、2016年版では1位となっています。

career.nikkei.co.jp診断士の資格保有者や受験生達の間では嬉しい記事となったことでしょう。

 

2017年はどうなったのか、そして2018年は?と気になったので調べていたのですが、記事が見つからないんですよね。出所の日経キャリアマガジンのバックナンバーを確認してもなかった。

 

これらの記事を見て常に人気あるのは、

TOEIC、TOEFL、宅地建物取引士 、日商簿記検定あたりであることに気づきます。余談ですが、IT系の資格は相変わらず人気がないです。

 

日経キャリアはどうして2017年以降から資格ランキングを企画しなくなったのか、資格資格取得対策学校からの広告料が集まらなかった事情が垣間見えますが、そもそも資格をランキングすること自体ナンセンスな風潮なのかもしれませんね。

 

 

 中小企業診断士の人気は本当に高まっているのか?

周囲を観察すると、TOEIC、TOEFLは、会社の昇進試験、留学、大学院などの入試に使われているし、簿記は経理業務に憧れる方だけでなく、ビジネスパーソンが上を目指すなら学習くらいはやっていて損はないことは断言できます。(会計知識もなく経営している社長さんも少なくないけど)あと宅建です。不動産関係者以外必要ないというものではなく、自身が騙されないよう生きていくために学んでおいても損はないかもしれません。人気ある資格です。

 

一方、中小企業診断士はどうなのか?もしかしてアンケートの母集団が偏っていたのでは?TOEICなどと比べると本当に人気あったのか?何かしっくりきませんでした。

 

そこで、直近5年間の中小企業診断士の受験者数と合格率を確認してみました。

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(出所)中小企業診断協会の発表データをもとに筆者作成

 

 

グラフで整理すると、以下のようになりました。

棒グラフを眺めると、2015年から2017年まで受験者数は伸びてはいますが、2013年の頃に戻っただけのようにも見えます。2016年に取得したい資格No1なった割には、受験者数はパッとしませんね。

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中小企業診断士試験は、1次試験に合格すると2次試験を2回連続受験することができるので、1年目に2次試験不合格でも2年目は2次試験から再チャレンジすればよいということになります。(私も2年目はそうしました)データの2次試験受験者数が1次試験合格者よりも多くなっているのはこのためです。

 

ちなみに、某予備校の話ですが、1次2次とストレートで合格できる人はまれであり、2次試験を2回以上受けて合格する人が一般的だそうです。そのため、2次試験挑戦権を手にいれたとしても安心はできず、毎年1次試験を受け続けている人もかなり含まれていると思われます。多くの受験生は、2次試験が相当困難なものと認識していることは間違いありません。

 

一応、実質合格率を計算してみました。1次試験と2次試験を連続で突破した場合は5%未満になります。(あくまで目安です)なかなか合格率が低い試験ですね。実際、私も2回チャレンジで落ちてしまいました。予備校の模試では上位5%に入っていましたが、このざまです。認識が甘かったなと反省しています。

 

 

受かるまで何回もチャレンジすること自体が目的になっら危ない

残念ながら、私は2次試験を突破することができませんでした。2回受けて、2次試験挑戦権がなくなってしまったので、もう一度チャレンジするためには1次試験からやり直さなければなりません。再度トライするかどうか悩みました。そもそも、なぜこの試験を受けようと思ったのか?改めて思い返すと、経営の基本を身につけたいとかそんな感じの動機だったかなと思います。続けるならとにかく時間がかかることだけは分かっています。次やるなら3年目です。

 

幸運にも、私の先輩や知人に中小企業診断士が多くいます。その多くの人たちは試験をいつも美談で締めくくってくれますし、こっちにはあなたの知らない世界があるのだと、誘ってくれる方もいます。年齢が高めなのもあってかFacebookを好みます。Facebookの職業欄を中小企業診断士としている方は大抵アバターが証明写真です。友達一覧を表示すると、高校の卒業アルバムみたいでちょっと異様な感じになってしまいました。診断士同士の繋がりが強いことはわかりました。多くの方が中小企業のために力になりたいんだという気持ちでいます。

 

ところで、単純に収入アップしたのかどうかが受験生の一番の関心事だと思います。主観も含みますが、大幅な収入アップできるかどうかの判断基準でいけば、

 

成功者は事例問題のように、優秀な中小企業をどんどんコンサルして収入を得ていますし、有名予備校で人気講師でもあります。しかし、その方の元々のキャリアがすごいので資格取得でさらに広がった感がしてなりません。私みたいな凡人が真似できないスタイルです。

 

それ以外の例は・・・・私の知っている60代の診断士は、中小企業のコンサルをやっています、旧診断士試験で合格した方で、コンサル歴20年以上あります。(おそらく多くの診断士になりたい人が目指すあるべき姿かなと)しかし、クライアントの多くが赤字企業で余剰資金に乏しく、報酬が少ないみたいです。そのためかクライアントに対する愚痴が絶えず、負のオーラを帯びているせいか身体をよく壊しています。

 

試験突破に6年かかった方50代の診断士は、それまで溜め込んだノウハウを受験生に伝えようと(お金儲けしようと)小規模な予備校で講師になりましたが、実際は儲かっていないようです(その予備校の合格率も芳しくありません)。

 

合格後も診断士試験に思入れが強く、試験問題(2次試験の事例)が好きすぎて研究している40代の診断士は、有志の勉強会だけでは飽き足らず、試験監督を毎年やっています。

 

受かって役に立つ資格なのかどうかといった議論は5ch(旧2ちゃんねる)では毎年取り沙汰されているようですが、受かってもない人間が資格保有者をジャッジするような行為は負け犬でしかないのでこのくらいにしておきます。

 

なにはともあれ、社会人は時間に追われてとにかく忙しいはずです。だから、投資効果が高いかどうかという視点を軽視しべきではないです。恥ずかしながら、私は30代ということもあり、先のことは取得してから考えようとしてました。2年間の診断士試験への取り組みでそれが場当たり的で稚拙な行動であることがようやくわかりました。このことに気づけたことが私にとっては収穫となりました。

 

受験仲間と接していると、受験年数を重ねた人ほど診断士になりたいという気持ちが強くなってくるようです。試験対策のエッセンスは相当蓄積しています。悲しいかなそんな人ほど受からない。合格するまで躍起になってしまうとすでに冷静ではありません。診断士試験の勉強を始めて合格までの期間が長引けば、それに比例して診断士への期待も膨れ上がってしまいます。診断士試験は独占業務が約束されない国家資格です。悲しいかな弁護士、会計士のようにはいきません。

 

結局、その人の専門知識がすでにあれば、診断士資格がなくてもコンサルはやれます。受かったらそれを機に脱サラ独立開業もいいですが、重要なのは顧客との関係性を創造できるのかということです。診断士資格で簡単に顧客創造できるなら苦労しません。一般の大学受験生のように大学に入学してから人生を考えるような甘いことは私たち大人には通用しません。後に引けなくなって診断士試験に挑み続けるようなな生き方は経済活動としては大変なリスクを背負っています。

 

 

そのような光景を人ごとのように見れなくなった私は、結局この資格を諦めることにしました。早く気付けてよかったと思います。

 

ロンブー田村淳氏が青学を目指していることについて

青学を100日で目指すという企画ものから始まったと認識していますが、かなり大変な追い込みをかけていることがうかがえます。

 

 

私は最近TVはあまり見ないので、彼がどんな番組を持っているか知りませんが、深夜枠などで、いろんな大学に訪問して学生と談話するような企画を視聴したことがありました。大学への関心はこの辺りから芽生えていたのでしょうか?他にも政界に進出したいとか、色々な噂はあるみたいですが、確実に言えることは、今のままでは、少なくとも地上波で彼が理想とする知的でスマートな番組は作れないし、持たせてもらえないということ。

 

学士を取れば今以上に大きなステップアップが約束される、普通の人は学士をとったからといって大きな変化はありません。しかし、彼にはこれまでの実績がある。それを彼ははっきりと見据えていることです。

余談ですが、ブラックメールとかロンドンブーツの昔の番組は結局はシモ系ばかりだったので、淳氏に対してネガティブなイメージを持っている人は一定数いると思います。しかし、若い世代には彼の印象は悪くないと思います。人は成長するんだな、そして私も・・・つくづく思います。

 

大学を卒業する(学士をとる)のは、そんなに簡単ではないことは記憶していますが、大学院を卒業する(修士をとる)ほどの大変さはないと思います。今も昔も国内の大学は入試が全てであります。ましてや要領の良い淳氏ならうまくやってのけるでしょう。繰り返しますが、問題は入試を突破できるか?ということですね。(対照的に中小企業診断士は試験に合格してからが本当の戦いです。だから試験で燃え尽きるような勉強をしてはならないと考えます。)いずれにせよ、淳氏(もう成功者だと思いますが)の貪欲な向上心には脱帽です。もし受からなかったら・・・彼は次にどんな行動に出るのか、大変興味があります。

 

中小企業診断士試験を受ける前に検討すべきこと

・自身にとって費用対効果に優れているかどうかをよく考える

・目指す資格の合格率が低いだけで我こそはという気持ちを持ってはならない

・独占業務のない国家資格なので、期限をつけて学習する(2次試験を2回受けてダメだったらきっぱり諦めて別のことに時間を注ぐ)

・どうしても経営関連の学びに何らかの達成感がほしいならMBAも考えてみる

 

費用対効果に優れている教材

予備校、通信、書籍など有名どころの学習機関や教材を使ってきてわかったことですが、以下のレボという通信講座が一番費用対効果に優れていました。少なくとも、TACなどの予備校に行くと年間20〜30万円はかかります。通い続けることを考えれば相当な時間コストを払っていることになるので効率面では弱いかなと思います。毎年1次試験にすら合格できない人も多く見受けられますが、予備校に通って分かったような気になって満足してしまっている典型例でしょう。

 

youtubeで主に1次試験対策の無料動画を提供しているTBC(早稲田出版)があります。意思が強く独学スタイルを好む方こちらでしょう。個人的な感想ですが、TBCは1次試験よりも2次試験対策が良かったです。

 

最後にレボですが、こちらは1次試験対策の有料動画です。ユニークなのは有効期間は3年間あるということです。なので、私のアカウントは今年も有効です。しかも毎年動画は改善されていきます。私がレボに入会したきっかけはズバリ講師松永氏のスマートさです。この方は最善主義を徹底されています。

 

レボ中小企業診断士講座のガイダンスはこちら

 

何はともあれ、1次試験に合格しなければ2次試験を受験できません。効率よく学べるところでしたので推しておきます。 

 

レボ 中小企業診断士講座 42,000円~