学者未満

思うことをアウトプットしています。

調剤薬局の存在意義について考えさせられた

今日は子供の風邪がひどく、正月明け早々に総合病院に連れていった。
風邪やインフルエンザが流行っているみたいで、案の定、小児科や循環器科は患者で溢れかえっていた。


検査結果を聞くまでは不安だったが、インフルエンザではなかったことを聞いてひとまず安心した。

 

診察代を清算し、あとは病院近くの調剤薬局で薬を受け取ったらミッション終了という算段だったが、薬は自宅近くの調剤薬局で受け取ろうとイレギュラーな選択をした甲斐あって調剤薬局というものを真面目に考えさせられた。その体験談と気づきをアプトプットしてみる。

 

 

調剤薬局の経営は結局守りのスタンスなのか


そもそも、イレギュラーな行動をとった理由は、診察に時間がかかったことで子供が疲れてしまっていたし、病院近くの調剤薬局で薬を受け取る際にまた行列があったら嫌だなと思って、そのまま家路を急いだことに起因する。

 

ところが、今日は1月4日ということもあり、いつも利用していた近所の調剤薬局が開いていなかった。お店が閉まっていたことでちょっと嫌な気分になったが、近所のクリニックも休みだったからそのお店が休むのも仕方ないと諦め、他の調剤薬局をあたることにした。


まず、最初に少し離れた場所の業界最大手の薬局が営業していたので、処方箋を持ち込んだ。混み合っていなかったのですぐに処方箋を渡せた。ところが、

 

薬剤師A「大変申し訳ありませんが、在庫を切らせております。この処方箋リストにある7種類の薬のうち1つしか用意できません・・・」との返事。

 

在庫がないって言われたのは初めての体験だ。たまたまタイミングが悪かったと気を取り直し店を後にすると、およそ10m先にも調剤薬局が見えたので入る。(2店舗目)

 

薬剤師B「処方箋を確認しますね・・・・・ちょっと待ってください。この薬は・・・子供の薬はここではそんなに扱ってないので・・・・ご用意できないです。総合病院の近くの調剤薬局で受け取られるべきかと・・・」

 

これまで調剤薬局をコンビニのように考えていた私は、自分の認識していた調剤薬局と実際の調剤薬局の間に大きなギャップがあったことに気がつく。どこの調剤薬局であっても、すぐに処方箋の薬を用意できるわけではないのだと。実際、門前薬局の定義を調べて見ると、


病院の付近にあり、主としてその病院の処方箋を対象とする調剤薬局 と定義してある。

kotobank.jp


しかし、調剤薬局は街に溢れている。ここは少なくとも都心部だから、あちこちに看板が見つかる。今回の私の持ち込んだ処方箋を調剤できなかったことは機会損失になっていないのだろうか。


そんな疑問を抱きながら3店舗目。やはり在庫がないと言われてしまった。ところが、この店の薬剤師はとても親切で、調達できそうな近辺の調剤薬局をリストアップしてくれくれただけではなく、電話で直接在庫まで確認してくれたのだ。ちなみに電話してくれた調剤薬局は競合他社。こんな連携をいつでもやってくれるんならどれだけありがたいことか。近くにあるならいつでもここに来たいなと思わせた。実質、今回の処方の窓口になってくれた。このお店は非効率な私との対話を気さくに行って顧客関係性を創造した。次からはここでお世話になろうかと思う。

 

そして、チャリで走り回りながら案内された調剤薬局に到着。これで4店舗目。ここは、某ドラッグストア内にある調剤薬局だ。

 

文太「すみません。先ほど●●薬局からお電話でこちらの調剤薬局を紹介してもらったものですが」

薬剤師C「こちらのご利用は初めてでしょうか。では保険証を確認します・・・・・」

会話内容は省略したが、実際は形式的なやりとりを行なった後もCとは意味不明なやりとりがしばらく続いてちょっと嫌な気分にさせられてしまった。(さっきの電話で担当者を控えとけばよかったと反省する)


結局、途中で別の担当者(薬剤師D)が出てきて話はすぐに進んだわけだが、ようやく目的の薬を入手した頃には日が暮れていた。

 

 

考察

調剤薬局は、いたるところに存在しているが、基本的には、近辺の病院の専門薬局の意味合いが強く、コンビニのような存在ではない

 

・だとすると、病院近辺にあれほど多くの調剤薬局が隣接するのは非効率に思える

 

・一方で、売れる薬だけストックし、ジェネリック薬品で儲けようとしているので必ずしも非効率とはいえないかもしれない

 

・基本的には無愛想な薬剤師が多い

 

・薬を受け取る際に、薬剤師は薬の袋数や錠数のチェックばかりに気が取られており、肝心の薬について質問ができるような場がない

 

上記から、現段階では総じて地域に根ざす経営とは程遠い経営状態にある


これが調剤薬局の主たるサービス内容というなら考えさせられる。結局は、彼らが稼ぐお金は我々の血税が源泉となっているからだ。
昨年、厚生労働省財務省が「門前薬局」の報酬を引き下げようとしていたことにあまり関心がなかったが、ようやくわかった気がする。


ところで、調剤報酬が下がったら当然だけど今のビジネスモデルではかなり厳しくなりそうだ。収益性が下がってしまうだろうし、もともと再構築しなければならない業界だったということにも気づかされる。薬の処方だけのためにお店があるのなら、いっそのこと、ロボットに調剤してもらった方が気持ちいい。

 

上場している大手調剤薬局が気になったので株価をチェックしてみると、やっぱり調子悪そうだ。

 

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アインホールディングス 6,800円

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日本調剤          3,480円
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                                 (2018年1月4日調査)


薬局がこれから消費者(患者)とどう向き合っていくのか。
少なくとも、専門職が国に守られながら素人(患者)を形式的に相手しとけばいい時代は終わりに近づいている。将来淘汰されるべきだろう。


小売業としての薬局ではなく、サービス業としての薬局へ。今のまま変わる気がないなら、私はロボットしかいない調剤薬局へ行ってみたい。